今回は、ハリーポッターが好きな人、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』が気になっている人に対して、
なぜおススメなのか? 120%楽しくみるには?
ということを綴っていきたい。
(※物語の内容に関するネタバレはない為、ご安心ください。)
舞台ハリーポッターは、原作のその後を描いた”最新作”!?
『ハリーポッター』。それは全世界を魅了した、魔法使い物語の最高傑作である。大人から子どもまで、みんながこの世界に憧れ、この物語に長い間惚れ込んだ。わたくしJINが始めて読んだときは小学生であり、自分もいつしかホグワーツから入学の案内が来るのではないかと夢見たものだ。魔法使いが上手く隠しており、自分は選ばれずマグルの世界を歩むことになったのではないかと悲しく思ったものだ・・・。
そのくらい熱中し、酔狂した物語にも終わりが来てしまった。その時、長きにわたる物語がフィナーレを迎えた高揚とともに、多大なる虚無感に襲われてしまった方も多いだろう。「あの物語が終わってしまう」、「もう新作が出るのを楽しみに待つことは出来ないのだ」、と。そうして思い出の宝箱に閉まっていた物語に、『続き』があった、としたらどうだろう。実にワクワクしないだろうか?
わたしが、この舞台『ハリーポッター』に最大の宣伝文句をつけるのであれば、
”あのハリーポッターには続きがあった!?”
これに間違いない(間違いなく、”全米が泣いた”は使わないだろう)。
もし、あのハリーポッターの世界に続きがあるのであれば、こんな世界なのではないか。そんなことを我々に感じさせ、想像させてくれる作品となっている。もちろん、著者がそれを意識して書いたのかは分からない。それは、この舞台を見た人たちが各々感じることであるから。しかしわたしは、どこか、「あの物語には続きがあったのだな」、と感じれずにはいられなかった。
過去作で散りばめてた”未回収の伏線”を回収する物語!?
今まで出た全7作品(日本語版は第4巻から上下巻セットになっており、全11冊)の中には、非常に多くの伏線が張り巡らされてきた。それはきっと、いつまで続くか分からない物語、終わり方は決まっているがその過程を決めずに自由に描く物語をより盛り上げる為に、著者が沢山仕込んできたのだろう。そして、その多くは見事に回収される形で我々読者を驚嘆させることとなり、それがこのハリーポッターという壮大な物語の醍醐味の一つとなっている。何故なら著者は、ふと乗っていた列車の中で、「物語のエンディング」を最初に思いつき、そこから物語を書き始めたのである。
しかし、中にはあまりにも本筋の物語が盛り上がりすぎて、回収しきれていない伏線も多くある。舞台『ハリーポッター』では、そんな、未回収の伏線をも見事に回収している。中には、だいぶ昔に読んで以降しっかりと読みなおしていない為、すっかり忘れていた伏線も多いだろう。なので、舞台を見た後に、原作や映画をもう一度読み返し・見返したくなる。
なんなら、舞台まで時間がある人は、是非とも読み直し・見直してから行くことをおススメする。
また、↓の作品である、「ハリーポッター」初の同窓会、『ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ』も一緒に見ることをおススメする。
こちらでは、作品を作っている中での舞台裏の物語であったり、出演者同士の意外な関係性、「ハリーポッター」の作品全てに出演するという特殊な契約のもとで思春期を過ごした出演者の胸の内、などがドキュメンタリーとして描かれている。ある意味、「ハリーポッター」の中のキャラクターとしての人生を歩むことが決められたような運命の中で、どのように作品に向かい合ったのか、どのように表現したのかを知ることで、より出演者に親しみを持つことができる。魔法界という、現実とは違ったパラレルワールドを描く上での苦労は計り知れなかったであろうし、こんなにも原作が売れている作品を実写化することに対するプレッシャーは我々の想像以上であろう。
また、全7作品の中で出てきた意外なメンバーが、舞台版では意外な立場で出てきたりもする。こんなメンバーもいたなあ、と懐かしく思うメンバーであったり、まさかあのキャラクターがこんな登場の仕方をするなんて!、と驚かされることもあるだろう。本当に、全作品を見た上で楽しむに持ってこいの物語となっている。
「舞台」であるからこその楽しさ
今回は、ハリーポッター役を3名の素晴らしい俳優さんたちが演じられており、俳優さんによって違った味を楽しむことが出来る。本当に好きな人には、3者3様の演技を全て見ることをおススメしたい。わたしは藤原竜也さんの回をみたのだが、さすがの演技力・迫力にプロの凄みを感じさせられた。ハリーポッター役以外にも、素晴らしい役者さんが抜擢されており、映画版とはまた違った、だけどどこか同じような絶妙な世界観を創り上げられている。
舞台上では様々な魔法を再現しており、それらの再現クオリティが非常に高い。個人的には少し後ろの席を取ると、より全体感を観れるからおススメである(魔法を再現している仕掛けなども見えなく手住む為)。また、シーンとシーンの間、セットチェンジの間も、ハリーポッターの世界観に没入させ続けるための様々な工夫が施されており、それも見どころの一つである。舞台という、本番一発ならではの緊張感の中に、本や映画では味わえない、特殊なハリーポッターの世界観を味わうことが出来る。
更には、劇場の最寄り駅である赤坂駅を降りた時点から、街全体がホグワーツの世界観を体現しており、少し早めにきて街を散策するのも良いだろう。ハリーポッターカフェなどもあり、舞台の上演前からその世界観に入り込んだうえで観られるのもまた一興。個人的には、夜の公演のほうが全体的に魔法界の少し暗めな雰囲気を醸し出しており、おススメである。また、オリジナルグッズも沢山売られている為、それらを購入するのも良い記念になるだろう。赤坂全体が、一つのアミューズメントパークのようになっている(行った事はないが、USJにある「ハリーポッターのエリア」のような雰囲気と似ているのではないだろうか)。
最後に、出来れば公演のあとにも少し時間を設けられるように1日のスケジュールを調整することを強くおススメする。あの素晴らしい舞台をみた感動を、一緒に見た友達や家族、恋人などと語らうことで、2度楽しめるからだ!
ここまで読んで、実際に見に行きたくなったなあ、と思ってくれると嬉しい。公演は非常に好評の為、追加公演をすることが決定したとのこと。つまり、しばらく先までチケットを取ることが可能である。なかなか今は都合つかない人でも、是非もう一度あの素晴らしい魔法界へ冒険に出かけてみては如何だろうか。
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